離婚レスキュー

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離婚後、名前(苗字)を変えるのは想像をはるかに超えて大変

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愛理
こんにちは。当サイト管理人の鈴木愛理です。

この前、読者の方からのお手紙の回答をいただいた「バツ2」の官能小説家・前田穂花さんのユーモアたっぷりのお答えが、愛理の当初の予想以上に反響大。

そこで今回は、穂花さんご自身の離婚にまつわる体験を語っていただくことにしました。

テーマは…女性だったら婚姻の時も離婚の際にも悩ましい「氏の変更」にまつわる穂花さんならではのユニークなお話。

穂花さん自身の体験談なだけに、彼女のリアルな悩みもふんだんに盛り込まれています。
実際に離婚を経験した等身大の女性の声って、リアリティたっぷりなだけに、
イタいけど参考にもなるし…何よりパートナーとの関係に悩む女性には「私はひとりぼっちなんかじゃない」と、そう思わせ、勇気をくれる不思議な力がありますね。

穂花さんの悩み、そして、今現在彼女が考えていることっていったい何でしょうか。皆さんも一緒に覗いてみましょう。

名前を変えるのは想像を遥かに超えて大変よー前田穂花の実感

前田穂花
先日、管理人の愛理さんからご紹介いただきました女流官能小説家の前田穂花です。

昨今は官能小説の執筆の仕事も一昔前に比べてぐっと減り、私も日々思い悩んでいます。
そもそも紙媒体が急激に売れなくなりました。

私も時代の流れに乗って、電子書籍やケータイ小説といったジャンルにも少しずつトライし始めてはおりますが、デビュー当時、原稿用紙に手書きでいわゆる「濡れ場」を緊張しつつ書き綴っていた頃を思えば隔世の感があります。

ただの色モノよりも「二次元の嫁」が幅を利かす平成の御世においては。
私もいつ作家として食いっぱぐれてしまうのか、本当に悩ましいところであり、ここはせっかくお知り合いになれた愛理さんにもよ~くゴマをすって、どうしようも立ち行かなくなったらこの「離婚レスキュー」のご意見番として鎮座しようかと、そう野望?を抱いております。

前置きを兼ねた冗談はこれくらいにして。
今回、私がこのサイトに登場させていただくのは、ほかならぬ管理人の愛理さんに「離婚後、苗字を変えるって出来るんですか?」ってご質問を頂戴したから。

実を言うと。私…前田穂花は現在リアルタイムで、氏の変更手続き中なのです。
ちなみに、苗字を変更する前にファーストネームも変更しました。

実際の方法とそれにまつわる家裁とのやり取りのテクニック等は、ググれば現役の弁護士さんによるわかりやすい解説がいっぱいありますしね。
ここでは私が自分で名、さらには氏を変更の申立てをしてみて意外だったこと、困難だったことなどを、市井の官能小説家?である私自身の目を通して、あくまでも「前田穂花の主観」としてお話させていただくことにいたします。

いうまでもありませんが。
「前田穂花」というのは執筆活動をする上でのいわばペンネームです。
私個人としては、官能小説も文学の中の確立された一ジャンルであり、読者のニーズがあるからこそ、私もビジネスとして日々真摯によい作品を生み出すべく努力しているのですが、それでも女性が性を描くというだけで、眉を顰められる方は未だに多く存在します。

私はこれできちんと生計を立てており、疚しいことなど一切ないのですが、当初本名で仕事をしていたところ、一部の方々からかなりの嫌がらせ(としか思えないこと)を受けまして、それでわざわざ積極的にイヤな思いをすることもないかなあということで、以来、この前田穂花クレジットで仕事をしています。

変更後の新しい名前は敢えて伏せようと思いますが。
もともとの私の本名は「谷口美紀(たにぐちみのり)」というものでした。

本名のうち名、いわゆるファーストネームについては、離婚直前に先に私は元養親と養子離縁をしまして、その際に自分の人生をやり直す意味合いも込めて平仮名表記「みのり」と変更しました。

戸籍法107条第2項、つまり名の変更は思いのほか簡単でした。
現在でこそ「キラキラネーム」の台頭で、読めないお名前のお嬢ちゃんというのは、小学校に出向けば幾らでもいらっしゃるようですが…お坊ちゃんもいるのかな?
とにかくこのところの子どもさんのお名前は、世間的には賛否両論あるかとは思いますが、皆さん斬新かつ個性的でいらっしゃいますよね。

しかしながら私が子どもだった昭和40年代から50年代にかけては、女の子の名前の半分はまだ「○○子」というものが定番で、「美紀」と書いて「みのり」と呼ばせるなんて、両親のセンスが疑われるわ…くらいのノリだったのです。

特に小学校高学年くらいの時には、この本人の風貌にはおよそ似つかわしくないキラキラな「美紀」という名前が災いして、私はいじめの標的になってしまったことも。

そういうこともあって、小学校から高校を卒業するまでは、学校でも便宜上平仮名で「みのり」という表記で通しましたし、先生たちの解釈も卒業証書以外は平仮名の通称「みのり」でOKだったのです。

当時の社会通念では、子どもに対して一般的に読めないような名前を付けること自体親のエゴであり、誰にでも読める平易で親しみやすい命名を行うことが何よりの親の子どもに対する愛情だと考えられていました。

そういった観点から考えても「美紀」と記載して「みのり」と呼ばせるだなんて、もう本当にお前の親は何なのかよと言われる感覚だったのです。

そんな背景のもと。
本来の「美紀」から永年通称使用した「みのり」へ名を変更することは本当にバッカみたいに簡単で、私が実際に家庭裁判所に足を運んだのも書類の提出などの事務的なことも含めてたったの二回でした。

日常生活において「美紀」という表記を事実上全く使っていなかったこともあり、名の変更はわずか2週間でスピード解決でした。

ところが。
――離婚の際、事情で元夫の氏「谷口」姓で離婚した私は…名前も簡単に変えられたことだし、変更後名乗ることにしている○○という苗字は、すでに夫と別居していた期間から5年以上ずっと通称使用していたので。

家裁に申し立てさえすれば「谷口美紀」だったかつての私は「○○みのり」として、すぐに新たな人生をリスタートさせられるよな。と、そう楽観的に捉えていました。

余談ですが。
別れた夫と入籍する段階、つまり結婚する時には、私は離縁した元要親の氏を本名として名乗っていました。

通常であれば離婚後は旧姓、つまり結婚前の姓に戻るのが一般的なパターンであり、従って離婚すれば私も元養親の氏に戻るのが当然なのですが。

しかしながら。
詳細は割愛しますが、もはや養子離縁をせざるを得ないくらいに、私は元養親とドロ沼の状態が長く続いていたのも事実でした。
幾らもう愛情の欠片も抱けない夫と離婚するからといって。

――だから旧姓に戻します、私から見れば不当な事由で一方的に養子離縁を押し付けた(元)お父さんとお母さんと同じ苗字に戻します…みたいな気持ちには私はとてもなれはしなかったのです。

その辺りの複雑な事情も、家裁の審判においてはきっと私に有利に働くわよね。私はそれくらい楽観していました。

新しく本名にする「○○」姓を通称使用した、その証拠になりそうなものも私には一杯手元にありました。

住んでいる自宅マンションも、将来本名となる(はずの)「○○みのり」で契約していますし、そうなってくると当然、公共料金の請求書や領収書も「○○みのり」とされて送られてきます。

仕事上もペンネーム・前田穂花で通せない部分については「本名に準ずる」として通称「○○みのり」で通してきましたし、公的文書は本来の名前だとしても、役所や病院の待合室など公共の場所でも、呼び出しはすべて「○○」さん、で統一してもらってきました。

あ、病院の診察券や入院の際の病室やベッドの表示も「○○みのり」にしてもらうように徹底しましたよ。

これまでの人生において様々なすったもんだがあり過ぎた私にとって、もう「谷口」という名前で呼ばれることも、だからといって憎しみ合って離縁した元養親の名字で生きていくことも、どちらも心が折れそうなくらいにつらくてガマン出来ないモノがあったのです。

ですが。
戸籍法107条第1項に則って、私が自身で申し立てた氏の変更申立てはあえなく却下されました。

裁判官のお話では氏を変えるというのは、すなわち全く別の人間になってしまうということであり、この名前がイヤだから、使っていると気分が悪いから…くらいの理由では認められないのだそうです。

参考までに「氏の変更」が認められる主な理由を平たくお話しするなら、

・永年通称を使用しており、もう本来の氏を誰も知らない
・本来の氏を使っていると極めて社会的に不利な扱いを受ける恐れがある
・そのほか、本来の氏を使うことで社会生活に極めて制限を受けるもしくはその恐れがある

以上三点の理由が氏の変更が認められる「やむを得ない事由」の殆んどを占めます。

普通に考えれば。
私は5年以上「○○」という姓を通称として生活してきたので、もはやこの永年使用という部分はクリア出来ると思われていました。今までの判例を見ても、早ければ3年、長くても5年間以上の通称使用で氏の変更は認められる場合が殆んどだったのです。

ところが、この頃氏名の変更、とりわけ氏の変更によってどうにか債務の問題から逃れようとする輩が増えてきたために。

ここ数年、法務省の考え方も変わり、氏の変更は以前のそれに比べ、ぐっと厳格化の流れへと向かっています。

ちなみに。氏の変更の審判においては、現状の氏を名乗っていることに対する心情的な快不快の問題よりもむしろ、実際の審判においては通称使用した期間の長短だとか、本名を使うことによる社会的不利益の重さとかのほうが、裁判官の判断の基準になっているようです。

とはいえ、現代の申立ての理由の中には、例えば幼少期の虐待の記憶やDVの忌まわしい記憶を忘れたい、でないと精神的に病んで日常生活が送れない…といった訴えや、犯罪やストーカーの被害者であり、現状の氏名のままでは今後の生活が不安なばかりである…みたいな、現行の戸籍法が制定された昭和22年当時では考えもつかない世の中の変化に即した事由の申立ても登場し、それらが一体どういう基準の下、どのように判断されるのか。今後の裁判所の判断が注目されるところではあります。

しかし。いずれにしても私、前田穂花は自ら申し立てた氏の変更の審判が、おもむろに却下。
もう…最後に裁判官と対面しての審判の場では。

自分よりずっと年下の男性の裁判官にひと言「裁判所も忙しいんで、今日のうちに取り下げて帰ってくださいね」と、そう吐き捨てるかのごとく言われ、私は口惜しいのを通り越してその場で泣き崩れてしまいました。

離婚の場面でも往々にしてそうですが、裁判官も公平な目で審判を下すように尽力されているんだとは思いますが、時にそれは極めて非情です。

かつては私のように5年以上の通称使用があって、かつ通称がもはや一般的な個人を示す呼称として定着していることに加え、養親とのトラブルのような家族間の複雑過ぎてどうしようもない確執が絡んでいる場合においては、氏の変更もハードルはそれほど高くはないものだと考えられてきました。

ところが、この頃の不景気が反映して…生活苦を理由に借金を重ね、負債につぶされそうな人間が安易に氏名を変更して難を逃れようとするケースが多発したのが一因で、氏名の変更、特に借金逃れにつながりやすい氏の変更は、現在、思いのほか厳格化されているようです。

結局私の申立ても却下となりましたが。
今は知り合いの弁護士に相談して、新しく変更したい姓「○○」を通称使用している期間の長さを主張するのに合わせ、現状の「谷口」のままでも、あるいは比較的変更が認められやすい私の旧姓、つまり離縁した元養親の姓であっても、私にはつらかった過去を彷彿とさせ、結果うつ状態が続いて日常生活に著しく支障が生じる…という論点ですり合わせるべく計画を構想中です。

もうこんなことであれば最初からプロに頼めばよかったな。
元夫と離婚してかなり経った今なお、氏が変更出来ておらず、生活上不便なままであること。そして元夫や元養親との不愉快な記憶が甦ってくるのに加えて。
自身で審判を申立て、雪が舞う真冬の裁判所に向かったあの時に。
裁判官から「忙しいから今日のうちに取り下げてね」と言われたあの一言が、今も私の記憶の奥にまるでナイフのように突き刺さっています。

最初からプロに依頼してさえいれば、少なくとも裁判官からあんな(ひどい)言葉をぶつけられることだけは回避出来たのかも知れません。そこは今でも、とても悔やまれるところです。

氏名を変えて人生をやり直したい。
そうお考えなのであれば、苗字よりファーストネームのほうが、まだ比較的簡単に変更が利くかと思われます。

しかし。
この頃の社会の状況が、氏の変更をさらに困難にさせています。

女性に特化して鑑みれば、氏の変更を申し立てる理由は「男女間のトラブルに起因するもの」が「多重債務にまつわるトラブルを理由とするもの」より遥かに多い傾向にあります。

女性はケッコンによって慣例的に旦那様の名字に変わることが当たり前な立場にあるからこそ。
だからこそ氏の変更って…本気で変えたいと思う女性のそれについての理由は、やはり男女間のトラブルに起因していることが殆んどでしょう。

そこら辺の微妙なニュアンスも含んでいる問題だからこそ。

女として必要以上に悲しまないためにも、最初からプロにお願いしたほうがメンタル的にずっと苦しまずに、よりよい結論を導き出せる可能性は高いでしょうね。

正直、私は後悔しまくりです。

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愛理
サイト管理人・愛理より
穂花さん。貴重なお話をありがとうございました。

愛理から補足させていただくなら、離婚届が受理されて3ヶ月以内であれば、婚姻時に名乗っていた氏(だいたいは夫の姓)若しくは自分の旧姓のいずれかを選び直すことは可能です。

もう少し丁寧にご説明するなら。離婚すればいずれにせよ夫も妻も旧姓に戻ることが民法767条で決まっています。例外的に離婚後3ヶ月以内に戸籍法77条2の届出(通称「離婚の際に称していた氏を称する届」)を提出することで、旧姓に戻すことなく結婚していた間の(たいていは元夫の)氏を名乗ることが出来るというわけです。

離婚後の穂花さんの本名が元養親さんの苗字ではなく未だに「谷口さん」だというのも、本来であれば民法の規定で旧姓に戻さなければならないところを、戸籍法77条2の届を提出して許可を受けたことによるものです。

以前はあまり聞かなかった例ですが、穂花さんみたいなケースも、この頃の社会の変化の中ではもはや稀有だとは言えないのかもわかりませんね。

穂花さんが最後におっしゃっているまさにその通りで。
法的な手続き…離婚についても氏の変更についても、自分のキャパを超えているような事例の場合は、とにかくプロに依頼したほうがスピード解決が期待出来る上、当事者自身が必要以上に苦しまないで済むというメリットが大きいのは否めない事実なんですよね。

審判の場で、裁判官の言葉に思わず泣き崩れたという穂花さんのリアルな傷みは、実際に経験されたものなだけにインパクトがありますね。

穂花さんのケースが特別というわけでは決してなく、それこそ餅は餅屋。

出来る限り早めにプロの力を借りることは、決して自分の目の前に立ちはだかる問題からの逃げなんかじゃありません。

むしろ苦しまないためのクレバーな選択です。

専門家への相談にちょっと敷居が高いと感じるあなたも、頼れるところについてはプロの力を頼ってみませんか?

だって、結婚することより離婚することのほうが、ただでも何倍ものエネルギーを必要とし、晴れて離婚が成立したとしても、そのあと自身の日常生活を軌道に乗せるまでには、もう本当に多くの労力やお金を必要とするのだから。

わざわざ自分から不必要な苦労を味わうことはありません。

プロに任せられるところは丸投げして、あなたは未来に控えた離婚後の生活設計にもっと時間を費やしてくださいね。

 

《この記事を書いた人》

前田穂花(まえだ ほのか)

5月10日生まれ。
中学生の頃から作家の故・坂斉小一郎氏に師事。十三歳の時に「海になりたい」で作詞家としてデビュー。
病気のため二十一歳の時から車椅子生活を余儀なくされる。
三十三歳から連載を始めた「告白!本当にあった近親相姦」(のちに「告白!近親相姦」に改題)で官能小説家として世に認められ、現在に至る。
車椅子に乗った女流官能小説家として注目されつつ、普段は一般の企業に障害者雇用制度を利用して勤務する会社員であり、ハンディキャップを超えてプロのモデル、ヴォーカリスト等々、様々な分野で活動中。

《これまでの連載》
「告白!本当にあった近親相姦(現「告白!近親相姦」)」
「家族姦係」「特選体験告白」「別冊ローレンス」ほか多数

《単行本》
「団地妻」「熟女の内緒話」「禁忌」「母と息子」「働く女」(以上ヒロエンタープライズパブリッシング刊)

《前田穂花公式ホームページ》
「車椅子の上からほのかな溜息」
(2016年8月リニューアルスタート予定)