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ため息

心病む夫のために精一杯のことを用意はするけれど

【区役所で知った無料の法律相談で弁護士に今後を相談するも…】

自身の障害の手続きに出向いた区役所で、無料の法律相談が開かれることを知った私は、その場で予約を入れました。

…30分という限られた時間です。
過日申立てを取り下げた離婚調停の件も含め、私は出来る限り事実を詳細に、しかし読みやすい簡潔な表現にまとめたものを準備し、相談に臨みました。

私の訴えを聞いた弁護士は、専門家が代理として受任すれば乗り切れる案件である可能性が高い、そうおっしゃいました。
しかし…実際に弁護士に依頼するには高額の費用が掛かるのです。

その場で提示された受任のための着手金20万円すら、私には支払えそうにありませんでした。

さらには、仮に離婚成立と相成っても、精神を病む無職の夫から一円たりとも金銭を得られる見込みはなく、その時点で弁護士への成功報酬が払える私とは全く思えません。
ものすごく離婚はしたいけど。
離婚して自分の人生を一からやり直したいけれど。

…先立つものがなければ、リコンなんて出来ないんじゃん。
法テラスによる「民事法律扶助制度」のあらましすらまだ知らなかった私は、最後まで自分でどうにかするしか方法はないんだ、そう信じ込むしかなくて。

制度を利用出来る可能性すら気づけなかった、制度自体を知らなかった私は、弁護士にどうすれば自分で調停を申し立てる際、有利にことを進められるのか、そのテクニックばかりを尋ねていました。

【もはや働けない夫のために精一杯経済的な保証を。それが唯一の離婚への途】

弁護士曰く、ご主人を悪意で遺棄した、ということにしないために。
ご主人に…彼の実生活における支援を。

特に経済的な裏付けを揃えてあげればいいのですよ…と。
現実的には私が離婚の際、彼に対して慰謝料を支払い、さらには離婚後も永続的に働けそうにはない彼に妥当な額の生活費を支払うと私が確約すれば、有責とされる私の離婚の訴えは認められる可能性が高いのだそうです。

【医学は日進月歩の現代、精神疾患そのものは離婚の理由にならない】

余談。調停の時にも挙がった話ではありますが。
配偶者の「強度」の精神病、というやつは一般的に考えられている以上に「婚姻を継続し難い事由」とは認められにくいのだそうです。

医学は日進月歩であり、それはメンタルヘルスの分野でも同じです。
昔であれば無為とされた精神病者も「精神障害者」と言い換えがなされた上で、障害者として周囲が適切な配慮をし、医療や行政サービス等をうまく活用さえ出来れば、患者の病状や能力に応じて「自立」した生活もそれなりに望める時代になったのです。

しかし。だからこそ当たり前に暮らせるような人間と、本人の「障害」を理由に離婚を切り出すのはそれこそ差別だろうと。
あるいは。夫婦はお互いに支え合う相互扶助の原則によっての契約で結ばれているもの。

相手が病気だからといって「見捨てる」のは、配偶者に対する責任を果たしてはいない。そう見なされてしまっても仕方ないんだそうです。
そういうことで。

私は夫と別れるために精一杯の「償い」を、特に経済的な問題をクリアさせていく課題を背負うことになりました。

それでも。
車椅子に乗らなければ、ようやく得た職場への通勤もままならないような状態に…妻である私もまたありました。

障害者雇用という立場だとはいえ、日々フルタイム&残業も辞さずに働き、ウィークエンドは職場に副業届まで提出してライティングの仕事を請け負っていましたが。

それでも身体に重い障害を抱えてしまった私本人が、すでに困窮一歩手前。

彼への経済的償いなどとても出来そうにありません。

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【精神障害者が使える制度を活用することで彼への「償い」を】

唯一の手段として私が思いついたのは、彼に制度で金銭的な保証を用意すること。
実際に「妻」だといえば、彼に代わって私が障害年金等の申請をすることは可能でした。

統合失調症という診断が下った時、彼は所属だけは例の設計コンサルタント会社にまだ籍があったので。
それでこれまでも彼は3級の障害厚生年金を受給中でしたが…。

さらに多額の障害年金や公的手当を受け取れるように手配しさえすれば、彼も最低限の暮らしは営めるんじゃないかしら。

彼の主治医に診断書を依頼し、申請者である彼本人に代わり妻としての陳述書も準備して、必要書類と共に年金事務所に提出。

社労士に依頼するより手間と時間こそ要しましたが。
結果、運よく?彼は私の手によって障害基礎年金2級と、やはり額がアップした障害厚生年金との受給権を得ることが叶いました。

平成23年当時、彼の受給が決定となった基礎年金が月額6万5千円、同じく厚生年金が5万5千円程度。

併せて月収11万円あれば、彼が田舎の親元に戻るという前提で考える限り、最低限の保証は出来たかなあと思ったのですが。

【それでも話し合いにはならず不成立。キビシイ離婚調停の現実】

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しかし。私の二回目の申立てによる離婚調停では。
夫の訴えによれば。
本当は上京したくなかったのに…オレは妻に合わせて出てきたんだ。
もう一緒に暮らしたくないからという彼女の都合を訊きいれることなんかできないんだ!と、そう強く主張。

さらには、ちょうどふたりで住んでいた時のマンションが更新の時期を迎えていた頃でもあり、妻は更新費用も出してくれなかったと。
オレは親に頼み込んで病状が悪くなったんだ…とひたすら調停委員に訴えて。

ある意味、仕事も社会的信用も捨てている彼なので、恥ずかしいということも知らないかのようです。
だったら田舎に帰ればいいんじゃん、そう思うのですが。

調停委員を通じて私が反論すれば、トラブル回避のために別室で調停を以ている彼は、以下のように応戦。
どうせオレはダメな奴なんだ。調停委員さんも彼女の味方なんでしょ。オレなんかいつもそうなんだ…と。
ひたすらゴネまくりのかまってちゃん状態だそうで。

何だか…その調停委員からの話に何時ぞやの卒論が出来なくて泣く彼の姿がダブりましたが。
挙句の果てに調停員さんのほうがこの事件、もう私たちにはお手上げです、と。

そういう彼の様子に、担当裁判官もこんな状態のご主人を…奥さん、幾らなんでも見捨てることは出来ないでしょとのご意見。
二回目の調停も結局不成立、取下げという結果。

さらに3年もの別居期間を経て申し立てた三回目の調停でも、もうその当時には私は過労のため脳梗塞と子宮頸がんとを発症し、ほとんど働けない状況に陥っていたにもかかわらず。

調停に2回も遅刻し、3回目に裁判所に来た時には激しい興奮状態に陥って、あろうことか妻である私の代わりに事務官を殴ってしまった夫。

司法機関でもある家庭裁判所には警察官も立ち入れなくて、夫の暴力はうやむやにされたばかりか、彼の状態に調停自体の継続が困難とされて、またもや私が取下げを半ば強要される結果に。

【なんで私だけがギセイになるのかな。もはや完全に終わってる】

ここまで来ると。
私にはもう夫が彼自身の統合失調症という病名を盾に、私の未来すらも悪意を以て邪魔をしているようにしか感じられなくなっていました。

だって。
夫はもう彼自身のことすらきちんと出来ない、そういう判断が下っている病状なのに。

裁判所での彼は…妻である彼女だけが幸せになろうだなんて許さねえぞ!
オレは精神病で差別されているんだ!
…と、調停委員もいる前でそう叫んでやめてくれないので。

いうまでもありませんが。
彼の実家にも、本人の受入も含めて誠意を以て相談をしました。

しかしながら、彼の家族は本人が病気になったのはあくまでも妻である私が彼を蔑ろにしていたせいであり、そこは最後まで息子の面倒を見ることによって「妻」の責任を果たしてほしいとの一点張り。

その頃にはすでに彼の実弟も結婚して、家族が望んでいた「跡取りの男の子」を含む二人の子どもが生まれており、彼のお母さんの「野望」もほぼ満たされていたことも一因だったのでしょうか。

または。半農半漁でこれといった産業もない田舎町です。彼の弟も含め、家族全員が定職にもついてはおらず、よくも悪くもその日暮らしが実現出来ている実家に、ですが病気の彼を受け容れられるほどの経済的な余裕も人的な余力も…本当のところなかったのだと、今ではそう思えるのですが。

しかし、私は心を病む彼とその家族のスケープゴートでしかない自分の現実に、時遅しながら…ただ言葉を失くしているだけでした。

逆にいえば、もう自分は夫の犠牲でしかないのだと、そう思ってしまうくらいに…私の中での彼への気持ちは冷め切っていました。

私が陥ったビンボー・ダメスパイダル

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【別居しただけでは何も解決しない夫婦問題の本質】

夫と住んでいるマンションを離れてから、私は離婚が成立するまでの4年半の間に首都圏を中心に4回もの引越しを余儀なくされました。

彼は高校の同級生。
ゆえに、私には彼との共通の友人知人がいっぱいあったのです。

もう本当に余計なお世話なのですが…共通の知り合いがふたりの関係を修復させたいという想いから、夫に私の居場所を知らせてしまうことも。
やってくれたご本人は善意からなだけに、その後の拗れ方もひどくて。

詳細はのちの記事に譲りますが、夫に居場所を知られてしまい、かまってちゃんな彼が私に付きまとうのが耐えられなくてさらに引越したり。

あるいは…昨今の有名人の不倫を主にネット上で批判し糾弾する「正義」感いっぱいの方々の「論調」を見てもおわかりかと思うのですが。

籍を入れて夫婦という形態を構築したのにもかかわらず、それを一方の感情だけで壊したいなんて人間としてどうなのか!みたいな批判もいっぱい受けました。

引っ越した先にお年寄りが多く、夫と離婚前提に裁判所で話し合いを持っている、そう告げただけでイヤガラセ(としか思えないこと)をされて、それでまたまた転居、みたいなことも。

その頃の私は心が弱まっているので、近所の年配の女性数人で囲まれて、
「私らの時はね、そりゃあガマンしたのよ。あんただって子どもがいたらそんな我儘なんか言えないのよ」

とやられると、もうそれだけで消えたくなってしまうようなメンタルで。

お説教好き、お世話好きのオバサマがたに遭遇したくない余りに、彼女たちがゴミ出しをする時間帯を避けようと、それだけの理由で始発電車で出勤したり。

今となっては何だかなあ…って感じですが、それくらい私は追い込まれていたのです。

【限界!心だけではなく、カラダをも蝕まれていく別居中の妻】

心の不調はまた、私のカラダをも蝕んでいきました。

ある日。
目が回って起きられないほどの不正出血。

生理用のナプキンでは10分も持たずに紙おむつを使用して過ごさなければならないほど出血が止まらないので。

私は恥ずかしいのをこらえて婦人科を受診。
大きな腫瘍が出来ていると診断され、当初、ホルモン剤を注射することで偽閉経を起こし、それで筋腫を小さくしようとしたのですが…。

翌年、それでも不調なので組織を採取してさらなる検査をしたら、
HPV、つまりヒトパピローマウイルスに感染していた私は子宮頸がんの初期とのこと。

がん化した部分を切除するためと、もっと詳細な検査をするために…私は膣口からレーザーメスを入れての円錐切除手術を受けましたが。

それでも完治させることは出来ず、結局診断されてから2年後の夏、私は広汎子宮摘出術を受け、卵巣をも失い…その他いろんな箇所にメスを入れられてしまう結果になりました。

【さらにさらに病んで壊れていく妻。もうボロボロ】

当然、夫には知らせられないので。
事故防止の観点から私は入院していた病院とも相談し、身内や親しい友人も含めて一切の面会を断つこととなりました。

入院していた産婦人科病棟では毎日多くの赤ちゃんが生まれ、幸せいっぱいの表情の新米お母さんがいっぱい。

そのなかで…何もかも失った私は少なからず情緒不安定になり、夜も眠れなくなって、病棟に精神科のお医者さんが往診に来るほどにまで落ち込みました。

当然ですが、下腹部には大きな手術痕が残るし、一方で抗がん剤治療の副作用によって髪の毛は抜けてしまうし。

がんだという確定診断がつくまで使用したホルモン剤のために、私は身体中に血栓が生じてしまい、真夏に脳梗塞を起こして救急搬送されたことも。

離婚が成立せず、夫とそして世間からの目を避けるように暮らす私はやがて…心までも折れていきました。

私はうつ状態がいわゆる心の病気、として現れにくかったらしく。

はじめは、我慢出来ないほどの手足の疼痛として表出しました。

そのうち…起き上がれないほどの全身症状となって、もう説明も出来ないくらいの激しい痛みで日常生活が成り立たない私。
20カ所以上の医療機関をたらいまわしにされた私についた診断名は「線維筋痛症」。

それでもきちんと病名がついたから私は幸せなのだと、専門医から告げられました。線維筋痛症はリウマチに近い自己免疫疾患であろうとされていますが、身体と心の両面からの治療を要する難病であり、正式にこの病名がつけられた患者は日本にまだ4千人程度。

このような症状を呈する人は日本だけで2百万人いると想定されていますが、診断が下せる専門医自体がまだ首都圏に10人いる程度なのです。

【最終的にはカネがないとつらい現実は何一つ解決出来ない】

まあ、診断がついたからといって、原因も判明しない現在はまだ対処療法を受けるしかなく。

私は重度身体障害者なので、このテの治療も公費による支援を受けられていますが…。
もう本当に…。度重なる転居と病気とそれに拘る入院や手術と。
夫との別居は果たせたものの、その後もまるで悪いスパイダルに私は巻き込まれているみたい。

当然、お金がなければ何にも出来ません。

自己破産と免責から5年が経過して、改めて私はローンも組めたし、クレジットカードも持ってはいました。
両親も他界し、夫との別居を機に婚家からは断絶してしまった私です。

頼る相手もなく窮状はそれを駆使して凌ぎましたが…。
もう本当にダメになる寸前で。

病状が安定したころ、私は債務整理をし、最終的には利息を免除してもらう形でどうにか抱えた負債を完済。
本当に本当に、私は自分自身を消耗し切ってしまいました。

転居してもなお、ストーカーの彼から逃げ切れない

【心のリミッターが働かない夫。警察も助けてくれなくて】

4年半の間に4回もの転居を繰り返してもなお、私に安寧の日々は訪れませんでした。
警察には当然相談をしています。

実際に転居した先を突き詰められ、興奮状態の彼が私のもとに押しかけて暴れることも。
恐怖の余り…私は迷わず110番通報。

しかしながら…彼が精神障害者手帳を所有している統合失調症患者だということを知るや否や、警察官は退散。
まだ現場で夫が大声を出して騒いでいるにもかかわらず!

結果、身の危険を感じた私のほうがタクシーを拾って逃げたということも。
かまってちゃんな夫は、私を困らせること自体が目的らしく、その私がいなくなったら…彼一人で住むには広すぎるであろう2DKの賃貸マンションに帰っていくことがわかっているからです。

しかし、だからといって巻き込まれて怪我はしたくないですし。
百キロ越えの巨漢が、心のリミッターすらも働かず襲って来たら…女性の私はもう、それこそひとたまりもないでしょう。

警察が説明するには、精神を病んでいる彼の保護は医療の範疇の問題であり、そこに警察の介入は出来ないんだそうです。

まあ、そんな目立つ服を着ているからいけないんですよと、緊急通報した私がたまたま着ていた深紅のラルフローレンのポロシャツに、おまわりさんがケチを付けたことも。

…そこなのかよ。
冗談のような結論に思わずキレそうな私でしたが。

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【精神障害者のための法律は不完全。現実には医療にすら繋がらない夫】

もう…息を殺して地味な服にオバサンメイクで過ごさなければ、お前のような「我儘」な妻は世間から許されないんだぞと言われている気分でした。
そりゃあ。

私も夫をどうにか医療に繋げたい気分でいっぱいでした。
すぐに興奮してしまう彼は、場合によっては私にだけでなく…他人をも巻き込んでしまう恐れもあったからです。

しかし。
私と一緒に暮らしている時から、彼は入院加療を頑なに拒んでいました。
自分はおかしくないんだ、なんでお前はオレを異常者扱いするんだ!
ヒートアップすると本当に手を挙げるので、私は夫を騙し騙し通院させるのがやっとでした。

まあ、通院の事実がないと、精神疾患を事由とする障害年金は停止してしまうルールなのです。
しかも(ケースによってその見直し時期は異なりますが)夫の場合、病状が不安定であるため2年越しに年金の受給資格の確認が厚労省からなされます。

年金の見直しがあるから「病院に通わないとお金がもらえなくなって、欲しいカメラも買えなくなってしまうんだよ」となだめて引っ張っていけるのですが。

ですが。通院はお金で継続させられても。
(彼的には)なんのインセンティブも発生しない入院は、病識のない夫にとってはそれこそ必要を感じられないのです。

それくらい病識、つまり自分が治療を要する状態だという自覚もない彼なので、通院こそどうにか続いても、処方された薬をきちんと服用するコンプライアンスなんかまったくなくて。

なぜか…精神科医の前ではきちんと服薬も規則正しい生活も約束出来る、いわば模範的な患者な夫だけに妻の私は手を焼いていました。
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【制度や法律の壁。本来であれば一番入院加療が必要な夫なのに】

一緒に暮らしていた時からそんな状態だったので。
家族の同意による精神科の特別な強制入院の形態「医療保護入院」も当然ですが…彼の主治医に相談し続けました。

しかし、彼との別居や離婚への手続きを知っている主治医は、私の訴えなど「奥さんの裁判所での好感度アップのためでしょう」と、そういって無視されるのです。

先にお話した通り、彼の家族も…妻の責任を放棄したと私を責めるばかり。

本来であれば、もうとてもこのままひとり暮らしが出来そうにない彼を、キチンと治療を受けさせる目的で…私と一緒に精神科病院の閉鎖病棟まで引きずっていくのが家族に出来る精一杯の彼への愛であり、更生への一歩なのに。

息子の妻だからあんたがどうにかしなさいよ。
そういわれても…もはやキャパシティ越えです。だから相談しているのに!

保健所の精神衛生相談をはじめ、しかるべきところにも思いつく限り足を運びました。

しかしながら、専門家さえも彼はレアケースであり…現行の精神保健福祉法の範疇を超えている問題だというばかりです。

少なくとも、私が彼と同居している状態であれば…妻たる私の申立てだとされて、私が夫の保護者となる形で強制入院させることは出来るんだそうです。

【必要な治療よりも精神障害者としての彼の「人権」のほうが優先される】

ですが、すでに別居して一定の時間が経過した今、夫を強制的に入院させてその行動を制限することは、妻であっても私には出来ないとの由。

妻として強制入院の申立てが許されるのは…あくまでも常時夫の看病及び保護をしている状態が言質であり、入院時の保護者として責任が持て、且つ退院後も彼が社会復帰出来るまで…きちんと管理が出来る保護責任を負える場合のみなのだとか。

それが精神を病み、責任能力を問えない彼の人権を守るための法律の性質。

いわんとすることは…わからないでもないです。

ただ、もう心身ともにいっぱいいっぱいで疲弊しまくり、その結果やむを得ず夫と別居して…離婚しか共倒れしない途はないんだと思い詰めている妻の私に、それこそ専門家のおっしゃる「人権」はないのでしょうか。

相談した保健師に「旦那さんがもし他人に危害を与えたら、その時は都知事が保護者となって措置入院という強制入院がなされるから心配要らないですよ」と、そう言われた時…私は唖然としました。

他人に危害を与えた時には…??
そんなこと、起こってからでは遅いじゃないですか??

そういう最悪の事態を避けたいからこそ相談に来たのに!

それでも…このような場合、現行法では病気の夫の人権が最優先されるため、何も施すことは出来ないのだと。

【現実は余りにも八方塞がり。心病む夫よりも妻のほうが追い込まれていく】

もう…。
彼を殺して妻の私も死ぬしかないのかしら…??

満腹中枢までイカれて、食欲のコントロールすら利かず、百キロを超えた大男という彼でなかったら…私は迷わず彼との無理心中を選択したでしょう。

他人様までを巻き込むことなんて出来ないですから。
ただ、興奮すると車椅子ごと妻の私をひっくり返して怪我を負わせる彼を、自分の手で殺めることは出来そうになかったので…実行には移せませんでした。

そういう彼に付きまとわれるので。
私は転居のみならず転職をも数回体験しました。

勤めている会社の最寄り駅に夫がいる、そういう噂が勤務先の総務部に流れて、それでオフィスにいられなくなってしまったことも。

彼には責任を問うことも出来ず…最終的には。
その責任能力を問われないということを逆手に取るがごとく悪用して、彼は妻である私を困らせているのかしら…??

そんな穿った想いまでが私の心を暗くさせ続けました。

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*この記事はあくまでも筆者である私の実際の経験をもとに、私の主観で書いたものです。

精神障害者、特に統合失調症患者の皆さんが危険だという意図では決してありません。

患者さんの殆んどは、医師の指導の下、服薬を守って、病状をコントロールされています(私は実際に精神科に入院経験もあり、そこはよく理解しているつもりです)。

夫は医師の生活指導も服薬指示も拒否しており、結果、興奮等の激しい病状をコントロール出来ていませんでした。

妻である私は、それでも精一杯彼に向き合っていたつもりでしたが、今になって思えば…もっときちんと彼が自身の病気や障害を受け容れて、それなりに社会に参加して生きていけるよう、もっと厳しく夫に接するべきでした。

この記事の文責は全て筆者の私にあり、夫を立ち直らせることが出来なかった私への自戒の念をも込めています。そこはご理解の上、不快な表現がありましたならばご容赦ください。

相談しまくった果てにたどり着いた法テラス

【家庭内のこと、特に障害者の問題は家族の自己責任としかされない】

心病む夫の今後。
そして私自身の未来。

心身ともに疲れ切って病んでいる私に、もう光は霞んで見えていました。
離婚も成立出来ない。でも…彼に対する愛情の欠片も今やない。
そうはいっても。責任能力のない夫を監視し続けること。

ただそれだけが戸籍上まだ「妻」である私に、一生課せられた課題らしい…。
このまま私が自殺したとしても。彼が生き残るんだとしたら…。

だとしたら私は、妻として果たす彼への責任以上に、世の中に対する責任を放棄したと非難されてしまうでしょう。

残念ながら日本では、障害者にありがちな問題すらも、家族による自己責任だと見なされることが余りにも多いと改めて知りました。

一応法整備はあるものの、それらは不完全であり、障害者の不祥事や事件は保護者たる家族がその責任を負うことになっています。
でも、それはいつまでも障害者を子どもとして扱うこと。

【一個の人間として扱われるために。ただ権利を主張するだけじゃなくて】

精神障害者や知的障害者の責任能力は問えないと、よくそのように判断されがちではありますが、他人の権利を冒し、傷つけて罪を犯した場合は…どのような障害を持っていても、本人を厳重に罰することも「平等」だと、そう個人的には考えています。

権利ばかりを主張し、責任からは逃れるのが「障害者」。

私自身、今や車椅子を使用する障害者なのでそう批判されることも多いのですが。

自分が一個の人間としてきちんと扱われるためには。

やはり、もっと法整備、とりわけ権利と平等の主張の部分だけでなく、成年に達した障害者については、おとなとしてそれこそ扱われるためにもやはり、何かしらの責任能力を問う、そういう判例が今後増えるべきでしょう。

それ以前に、罪を犯す障害者がこれ以上現れないように、彼らの人権を守るだけではなく、彼らにも他者の人権を尊重する考えを促していくことが大切だと思います。

【理想では問題は解決出来ないから。そして私が訪れた福祉事務所】

でも。
そんな理想はあっても…目の前の夫をいったいどうするのか。
当時はそれだけでもう私は心が溢れていました。

このままでは私も夫も共倒れしてしまうでしょう。
とにかく妻としてひとりの女性として私は悩んでいました。

そういう中で、私自身が病んで働けなくなりそうだったので、困りに困って、私は無意識のうちに福祉事務所に足を運んでしまいました。

福祉事務所といえば、一般的なイメージは生活保護についての相談や事務を扱う場所、というカンジでしょうが。

実際には生活保護のみならず…子ども、高齢者、障害者、そして女性と…社会的弱者やマイノリティーの抱えている問題を全て網羅するいわばよろず相談所。
マイノリティーの問題は一筋縄では解決出来ないことも多く、だからこそあらゆる角度から制度を用いてアプローチしていく。
それが支援としての福祉の本質。

現実にはケースワーカーが担当する業務が多過ぎて、全てに完璧なアプローチがなされているとは言い難く、必ずしも適切な支援が実現出来ていない場合も多いのですが。

でも、それでもまずは形から入らなければ。
そういう趣旨から福祉事務所では不完全ながらもかなり多角的な相談を受け付け、制度の守備範囲のもとに支援もなされています。

【医療費の減免相談に行って、法テラスの民事法律扶助制度をはじめて知る】

まあ、今後の福祉事務所業務の充実に期待すべきでしょうか。
私は…その日、病気の治療に使える金銭的な支援を相談に行ったのですが。

意外にも、福祉事務所で相談を受け付けた女性特有の問題の担当のケースワーカーさんに、私は「法テラス」による民事法律扶助制度なるものを教えてもらいました。

法テラスでは個々の収入に応じて、審査の上条件を満たせば、法的トラブルを解決してもらう専門家に依頼するために必要なお金を、立替えてくれる制度があるとのこと。

しかも…現時点で障害を持ち、ギリギリの生活を強いられている私はおそらく援助の対象に相当するみたいです。
その場でケータイを取り出し、法テラスのインテーク相談の予約をした時。

少しだけ光が私にも見えた気がしました。


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